【考察】希はなぜ死んだのか、そして最終回予想【Sonny boy -サニーボーイ-】

 ついさっきamazon primeで見たsonny boyが面白かったので感想・考察を書きます。

 オススメに出てきたからなんとなく見ただけなんだけど、最近のアニメにはない珍しい話の作りで一気に惹き込まれました。まだ7話まで見た段階で話の決着もどうなるか読めません。毎話の展開が早い上に情報量が多すぎる(笑)

 1話で通常のアニメ3話分くらいの内容密度・テンポで進んでいくのでぼんやり付いて行くだけで精一杯な感。凄い。

 この記事では6話にて、希が元の世界で死んでいたことになっていた件について周回遅れで考察というよりかは自分の中で消化するための文章を書こうと思う。

 こうしてブログに記事を載せること自体、およそ一年ぶりのことであり、そのくらい突発的に書く記事であることは最初に明記しておきます。


希はなぜ死んだのか


 さて、結論から言うと、希は癌や白血病といった死亡率の高い病に掛かっていたのだと思う。

 そう考えた理由は身も蓋もなく単純なもので、単にほかに有力な死因が存在しないからです。事故死は作劇上の必然性がなさすぎるし、イジメなどを苦にした自殺というのも悲しむクラスメートの描写を見るにあり得ない。

 そして、一番自然な死に方っぽい病死を前提にこれまでの話を振り返ると、それっぽいシーンがところどころに散りばめられている。


病死の根拠となるそれっぽいシーン


 その最たるものは二つ。

 一つは、元の世界には戻れないという先生の発言に気落ちしていた長良に、希が「前に病院の先生が言ってたんだけど、おっぱいのデカい女の言うことは絶対に信用するなって」と元気付けていた場面。(5話3分50秒あたり)

 病院の先生とそんな砕けた会話ができるのは、長期入院もしくは長期通院している患者くらいだと思う。

 二つに、希が花瓶を割って倒れるシーンがあること。(5話13分10秒)

 病気の発症を示したシーンであり、前後で生まれた価値云々の話もしているので病死待ったなしレベルの病に掛かってしまったのだろうと推察できる。

 よって、漂流の起きなかった世界線での希は、卒業式を迎える前に病死してしまった可能性が高い。


病死を前提に物語を俯瞰する


 希病死説を前提にこれまでの話を振り返ると、彼女のその常軌を逸した行動の数々にも納得がいく。

 希は漂流する前から自分が卒業式を迎えられず死ぬかもしれないと恐れていた。

 →だから、教科書をビリビリに破り捨てた。(勉強しても無駄)
 →だから、スマホを持っていなかった。(元々は持っていたが、死ぬ前に人間関係を整理したため”今”は持っていない)

 キャップ(野球の人)に渡されたスマホを速攻でぶっ壊したのも、一度整理した人間関係を再構築したくなかったからだろう。

 これらすべての行動は、希自身の弱さと優しさに起因している。

 希は自分と関係を持った相手が、自分の死によって傷つくことを避けようとしていたのだ。転校もその行動の一環で、希は自分よりも他者のために孤独になろうとしていた。

 この希の心境は1話3分30秒からのシーンによく現れている。

 希「あーつまんない、君しか話す相手いないし」
 長良「じゃあ友達作ればいいだろ」
 希「うーん、まあそうなんだけどね」

 希は友達を作れないとは言っていない。単に作らないだけなのだ。

 ……優しすぎる。聖人か? 天使か?

 しかし、次にお前はこう言う。

 ん、でも待てよ? 希はじゃあなんで長良には近づいたんだ?と――

 さて、ここで気になるのは、希はなぜ長良には近づいていったのかということ。人間関係を拒絶する希が長良に近づくのは矛盾した行動だ。

 だが、これも希視点から長良を見れば簡単に説明がつく。


希の視点から見る長良はクズ野郎


 希の視点で見ると、長良というのはとんでもないクズ野郎である。

 校門前に横たわっていた鳥の亡骸をスルーするし、暗いし、陰のオーラを全身に纏っている。

 基本的に聖人思考な希も、そんな長良には内心では苛ついていたのかもしれない。というのも、1話の導入部分では希の目をアップにするカットが数多く見られる。

 これは希が長良のことをたっぷり観察していることを示すと共に、希が表情には出さない怒りを溜め込んでいることを示したものではないだろうか。

 演出意図としては、おそらく希がイラッ☆と感じた場面で目がアップになる……といった感じだと思う。実際、見直してみると長良の雑な返答はイライラ度が高い。

 希の「あーつまんない」という台詞は、ほぼ100%長良への罵倒なのである。

 さて、話を戻そう。

 普通の人は話してて苛つく相手には近寄ろうとは思わない。そして、希は難病に掛かっているため新たな人間関係を築きたくないし、築かない。

 ――否である。正確には、希は友達になりたいと思うような善良なクラスメートとは人間関係を築きたくないのである。

 つまり、希は長良のようなどうでもいい奴となら、別に人間関係を築いてもいいかという心境だったのではないだろうか。

 初対面からしばらくは、希の中での長良に対する評価は「表情筋を鍛えるためのちょうどいいサンドバッグ」程度のものだったのだと思われる。


本来の希は陽の者、そしてエンディングへ


 作中では変人として描かれる希だが、病死説を前提に物語を見直すと普通の心優しい女の子であることがよくわかる。

 漂流の起きなかった世界線において、彼女の死は一年の付き合いしかなかったはずのクラスメートたちに酷く悲しまれていた。これは希が結局は人間関係を構築してしまい、クラスメートに愛される陽の者となったことを示している。

 クラスメートらの反応を見た希は何を思ったのだろうか?

 病死という現実、人間関係を断ち切れない自分自身の弱さ、あらゆる感情に溢れたに違いない。 そして、サニーボーイの最終回の展開もこれでおおよそ見えてきた。

 ほぼ間違いなく、ラスボスは希になるのだと思う。世界を戻したくない希と、世界を戻したい長良。二人は対決して長良が勝利する。二人は愛を語り、クラスメートは現実に復帰し、瑞穂は蚊帳の外で負けヒロインの座に座ってラジタニあたりと適当にカップルになってしまうのだろう。

 なんて酷いエンディングだ。考察すればするほどこの結末に落ち着いてしまう。だが、私は瑞穂エンディングが見たいのだ。

 私の心境はまさに希とシンクロしている。もはや避け得ない希エンドという未来から目を背け、瑞穂エンドというシュタインズゲートの扉が開かれる未来へと私は飛んでいきたい。

 I believe in future 信じてる

 完

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