ランス10 クリアしたので感想を長々と(ネタバレ注意)

ランス10クリアしました。
実にボリュームたっぷりな内容でしたね。これ、普通のエロゲの3倍はあるんじゃね?ってくらい長かった。

それでもダレなかったのは一重に手抜きのない高いクオリティと2部構成のシナリオのおかげでしょうか。

自分がランスシリーズに初めて触ったのは戦国ランスが最初で、その後に手を付けたのも後期シリーズがほとんど。最も古いので6のゼス崩壊で、それ以前のシリーズはリメイクした1と3だけ。

まあニワカなのですが、それでも長いシリーズの完結作を楽しくプレーできました。

これでシリーズが完全に終わり、ということにならずリメイク、外伝、10のマグナムあたりでもう1,2本新作が出てくれたら嬉しいですけど。これだけ力を入れて完結させたらもうホントに終わりなんじゃないか……という予感もします。

もうこれで終わってもいい、って熱を感じましたね。

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シリーズ完結作に相応しいボリューム

その熱をどこから感じたのかって話ですけど、このゲームの何がスゴイのかと言うと、やはり立ち絵の枚数の多さですね。

ランスシリーズのキャラクターが大量に出てきて、なおかつその女性キャラ全てに全裸立ち絵を用意するというのは、原画的にかなりパワーが必要な仕事だと思います。

通常のエロゲならせいぜい裸差分を用意すると言ってもメインの5キャラ+α程度のものでしょうし、衣装差分とは言えかなり馬鹿にならない時間が掛かったはず。原画だけじゃなく、塗りの負担もやばいはずですし。

それとやはりCG枚数も多かったです。
こちらは異常なレベルで多かった、というほどでも無いのかもしれませんが、1部、2部、それと図鑑も合わせると中々の量になっています。どちらかと言えばストーリーに絡めたCGが割合的に多かったかな?と思ったのですが、見返してみるとそうでもなく、戦闘・演出で使うCGはかなり厳選したのだろうなと思いました。

シナリオは言わずもがな、2部構成で単純に量が出ますし、食券イベントや図鑑での解説などで文字数的には4M以上あったんじゃないかなと。もう多すぎて体感では測れなかった。あと戦闘が合間に入るし。

その戦闘はけっこう難しめだったかなと思う。ちゃんと考えて進めたり、セーブ&ロードをしないと割と時間を食ってしまったので。それで1部で6~7周も遊んでたんだから、どんだけ戦闘してたんだって感じ。自分は割と最初のほうの周回でフラグとか攻略サイトで確認せず進めてたので余計に時間が……(笑)

とまあ、クオリティや量に対しての感想はここまでにして。
ここからはシナリオの内容についての感想でも。

シナリオの感想

1部の前半で魔人を倒しまくる流れは、過去シリーズ同様のノリで普通に楽しくプレーできました。
ランスがひたすら自分勝手に行動を起こしたり。またヒロインを集めて戦力を上げて殴っていくって流れも過去作と同じ流れですし、ガチの殴り合いを避けてランスが搦手で魔人を弱体化させていくのも、戦闘で毒や手裏剣を多用したり試行錯誤するのも面白かった。

そんな楽しい1部を何周も繰り返し、2部が始まるわけですが……。

鬼畜王を未プレーの自分は、ランスが魔王化するというのはwikiや掲示板で間接的に知っていた情報でしたが、それでもけっこうショックな内容でした。

1部の戦闘。戦闘。戦闘―――という流れから、ようやくゴールしたと思ったら魔王化、ですからね。
2部クルックーの、「奪われた大団円」という発言もまさにその通りだなって思いました。

ランスが魔王化していた15年の間に起きた出来事が年表になっていましたけど、それだけでもゲームになってしまうほどいろいろあったんだろうなーと思わされた。そういうことをゲームとして体験しないまま始まった2部の序盤は、正直けっこうかったるいというか、もどかしい……気になる……あれやこれはどうなったんだ?ってのが先に来ていて、ほのぼの冒険譚は早く終われって思ってました(笑)

それでも、ちゃんと読んでいるとキャラクターへの愛着ってのは自然と湧いてきて。
敗北、修行、魔王戦というラストの流れは普通に楽しめましたし、シィル復活とランス抱擁のシーンはけっこうクルものがありました。15年経過させたからこその盛り上がりなんでしょうね。

そしてランス完全復活からクエルプラン戦、魔血魂戦は冷静に考えるとかなりご都合展開なんですけど、でもランスが楽しそうだからまあいっか!って思うくらいに勢いがあって素晴らしかった(笑)

物語の緩急という点でも、そこまでの緩な感じの2部序盤~中盤が効いていて良かったのかなと。

作者の代弁者クルックー

そしてこのランス世界の創造主であるルドラサウム問題ですが、これも上手く収まってたなと思いました。
ルドラサウムにしろシィルにしろ、すべてクルックーが暗躍して解決していたのでクルックー便利すぎだろってのは置いておくとして(笑)

よくある考察のパターンですが、ルドラサウム=プレーヤーなのでしょうね。
そしてクルックーというのは=作り手、シナリオライターたちであると。

だから、クルックーは本作では特に舞台装置的な役割を演じてくれたのでしょう。(法王特典とか、その他諸々)

で、最後のクルックーとルドラサウムの対話のシーンというのは、作り手がプレイヤーにこんなゲームはどうですか?と販促しているシーンになるわけで。

ランスが「クルックーは30歳過ぎたから卒業」って言うシーンも単純に見ればひでェな(笑)って思うのですが、そういう背景込みで見ると、ALICEの高齢スタッフは卒業します、という宣言にも取れてしまうのですよね。これはTADAの深読みに過ぎないと思いますけど。でも、そういう意図でないとさすがに元ヒロインに対してのセリフとしては棘多すぎだろ(笑)って気もする。

実際、ALICEソフトの今後の展開もランス10を機にいろいろ変化していきそうですし(個人的にはソシャゲや一般に攻めていく流れになっていくんじゃないかと思う。つーか、それ以外に舵の切り先がなさそう。本作のシステムもソシャゲぽかったし)

終わりに

まあ、でも、ここまで書いたそういういろいろなことは別にどうでもいいんですよね。

プレーヤーにしてみれば楽しめればそれが一番なのだし。楽しめればソシャゲでもオーケなわけです。

しかしまあ、ソシャゲであってもシナリオ的なランスシリーズの続編はないのかもしれませんね。

やはりエンドロールで爺さん婆さんになったランスとシィルを見てしまうと、これでこのお話は終わりで良いかなとも思うし。納得できる。キリがいいというか、もう完全に終わらせたと言っていい。そのくらい締めてあった。

だからこそ、ランス10は完結作としては素晴らしい作品になったのだと思います。

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